※リラキシン

卵巣ホルモンの一種で、分泌される時期は月経前、妊娠8週～産後２～３日で関節を緩める作用がある

②子宮増大に伴う靭帯や腹壁の伸展で腰痛が発生

③卵巣膿腫・子宮筋腫など

※卵巣膿腫

卵巣チョコレート嚢胞

卵巣に発生した子宮内膜様組織により、月経のたびに赤血球の滲出や貯蓄が起こる。剥離組織は排出されないため、卵巣が腫大する。

妊娠維持に必要なプロゲステロンは、妊娠10週まで卵巣で生産されるため、胎盤が完成し始める妊娠12週以降に卵巣摘出手術をすることが望ましい。

※子宮筋腫

良性の腫瘍で、筋腫が大きいほど切迫早産、胎盤位置異常、弛緩出血、子宮復古不全が多いといわれている。分娩は、帝王切開で行われる。

妊娠初期の腰痛発生原因

① 自律神経の不安定

② 骨盤内の血行障害

③ 腰骨盤周囲の痛みに対する感受性の亢進

④ 心理的要因

妊娠中・後期の腰痛発生原因

① リラキシンによる骨盤の関節や靭帯の弛緩

② 姿勢の変化や子宮増大による物理的圧迫

※骨盤の関節・靭帯

骨盤関節は恥骨結合、靭帯の弛緩は会陰（骨盤の下口を塞ぐ軟部の総称）筋が関係。骨盤隔膜と呼ばれる、左右の肛門挙筋、尾骨筋とでできていて、肛門挙筋の表層には外肛門括約筋がある。

【治療法は？】

妊娠中はシップのような痛み止めは使用できないため、マッサージや鍼灸治療などがあります。

そのなかで、鍼灸治療では東洋医学でみて妊娠による腎虚・寒湿・瘀血が原因として挙げられます。

① 腎虚

慢性的に腰痛が続くことが多く、疲れやすい、経産婦の方に多い

治療方法：太渓、復溜、腎兪、委中などに補法の鍼

② 風寒or寒湿

寝返りが打てない、じっとしたあとの動き初めに痛みがでる。風寒は急におこり、腰から上の症状も伴う。また、寒湿は邪気が腰部に入り込み、滞ってしまう。冷えが大敵で、温めると一時的に軽減することが多い

治療方法：腎兪、大腸兪、委中、陽陵泉、崑崙

③ 瘀血

血液の流れが元々悪く、停滞しやすい人に多い。イライラやストレスなども関係し、浮腫も起こりやすい

治療方法：腎兪、委中ほか圧痛部位

そのほか、陰谷、曲泉、築賓なども効果的

【そのほかセルフケア】

・シムスの体位

・あごをひく

・靴底の低いものをはく

なども、効果的

【実際の症例】

実際に来院された患者さんの症例です。

30代女性、妊娠13週、上のお子さんが2人、2人目出産後に冬ごろぎっくり腰をきっかけにヘルニアを発症。発症後、整形外科で牽引をしてものすごい痛みのあと完治。3人目妊娠後、同じような痛みで整形外科に来院。安定期に入るまで治療ができないと言われ、仕事を休み、自宅安静していたところ鍼灸を知り当院に来院。

主訴：ヘルニア、左お尻から足までしびれと痛み

その他、酸化マグネシウムを服用中。ヨーグルトを食べると4日後軟便がでる。

妊婦健診1回目：血圧１１４/６７、異常なく、産婦人科の許可ももらって治療開始

治療：立ち姿から、右足がO脚ぎみになり、引きずるように歩いていたのでまずはバランスの調整から。ヘルニアを発症する前はエイサーをされていて、もともと筋肉が右につきやすく、左が痛いのに右の治療をされることが多いとのこと。また、仕事は看護助手でフルタイム立ち仕事をしていて、1週間後の職場復帰を目指していた。治療初日は痛くて眠れない程だったが、少々無理をしやすい体質。

下肢の虚症状をみて、お灸による治療を行い、仕事復帰ができました。

現在は、私の引っ越しのため完治までサポートできず他院を紹介しましたが、最終日にはお子さんを抱っこして自転車に乗れるまでになりました。

※実際の患者様の1例です。

治療を保証するものではありません。

妊娠中の腰痛にお悩みの方は、一度ご相談ください！

鍼灸が初めて、鍼が怖い方でも温灸などの方法で熱くなくポカポカ温かいお灸で施術が可能な場合もあります。

お問い合わせは、ぜひLINE公式アカウント『からんこえ鍼灸院』から検索しメッセージを送信してくださいね！！

腰、背部痛