腰・背部痛|名古屋 黒川 志賀本通|痛くない 鍼灸 女性鍼灸師が対応
妊娠中におこる腰痛や背中の痛みは、普段とは少し違った特徴をもっています。
妊娠による子宮の増大に伴う姿勢の変化、運動不足、リラキシンの作用により腰椎や骨盤が支えきれなくなってしまうことによる仙腸関節や恥骨結合のずれ、子宮などの下腹部圧迫による痛み、ストレスなどから起こります。
〇いつから?
赤ちゃんを身ごもってから、腰の痛みが出る時期はどのくらいなのでしょうか?
イメージとしては、胎児が大きくなるにつれて、その重さで腰に負担がかかることや反り返す姿勢の為に痛みが発生することが 考えられますが、実際は妊娠前期から起こり、妊娠中の腰痛発生率は50%前後と言われています。
〇痛むのはどこ?
妊娠中の腰痛の疼痛領域は腰全体が約50%、腰から殿部が約30~40%という報告があります。
〇妊娠中の腰痛発生原因は?
① リラキシン・プロゲステロンが軟骨結合組織の軟化するため、関節・靭帯が弛緩し腰痛が発生します。
※リラキシンとは・・・
ホルモンの一種で、分泌される時期は月経前、妊娠8週~産後2~3日で関節を緩める作用があります
②子宮増大に伴う靭帯や腹壁の伸展で腰痛が発生
③卵巣膿腫・子宮筋腫など
※卵巣膿腫とは・・・
卵巣チョコレート嚢胞
卵巣に発生した子宮内膜様組織により、月経のたびに赤血球の滲出や貯蓄が起こります。
剥離組織は排出されないため、卵巣が腫大します。
妊娠維持に必要なプロゲステロンは、妊娠10週まで卵巣で生産されるため、胎盤が完成し始める妊娠12週以降に卵巣摘出手術をすることが望ましいといわれています。
※子宮筋腫とは・・・
良性の腫瘍で、筋腫が大きいほど切迫早産、胎盤位置異常、弛緩出血、子宮復古不全が多いといわれています。分娩は、帝王切開で行われます。
妊娠初期の腰痛発生原因
① 自律神経の不安定
② 骨盤内の血行障害
③ 腰骨盤周囲の痛みに対する感受性の亢進
④ 心理的要因
妊娠中・後期の腰痛発生原因
① リラキシンによる骨盤の関節や靭帯の弛緩
② 姿勢の変化や子宮増大による物理的圧迫
※骨盤の関節・靭帯
骨盤関節は恥骨結合、靭帯の弛緩は会陰(骨盤の下口を塞ぐ軟部の総称)筋が関係。骨盤隔膜と呼ばれる、左右の肛門挙筋、尾骨筋とでできていて、肛門挙筋の表層には外肛門括約筋があります。
〇一般的な対処法
妊娠中はシップのような痛み止めは使用できないため、マッサージや鍼灸治療、整骨院での整体などがあります。
そのほか・・・
- 楽な姿勢で就寝する(シムスの体位)
- 顎を引いて背筋を伸ばして歩く
- 固めの寝具で寝る
〇東洋医学的な対処法
鍼灸治療では東洋医学でみて妊娠による腎虚・寒湿・瘀血が原因として挙げられます。
① 腎虚
慢性的に腰痛が続くことが多く、疲れやすい、経産婦の方に多い
治療方法:太渓、復溜、腎兪、委中などに補法の鍼
② 風寒or寒湿
寝返りが打てない、じっとしたあとの動き初めに痛みがでる。風寒は急におこり、腰から上の症状も伴う。また、寒湿は邪気が腰部に入り込み、滞ってしまう。冷えが大敵で、温めると一時的に軽減することが多い
治療方法:腎兪、大腸兪、委中、陽陵泉、崑崙
③ 瘀血 血液の流れが元々悪く、停滞しやすい人に多い。イライラやストレスなども関係し、浮腫も起こりやすい
治療方法:腎兪、委中ほか圧痛部位 そのほか、陰谷、曲泉、築賓なども効果的
そのほか・・・
- ふくらはぎを優しくマッサージする
- 慢性腰痛は温める
また、その痛みが他の疾患にかかわりのあるものかもしれません
何科に行けばいいのかわからないことがあると思います
痛みの特徴でかわるので、下記を参考にするかかかりつけ医院の受診をおすすめします
〇疾患と痛みの特徴
内科系
十二指腸潰瘍、胆嚢炎、胆石、腫瘍 ⇒背部鈍痛
泌尿器系
腎腫瘍、遊走腎、腎盂腎炎、尿路結石 ⇒腰部鈍痛、不快感
婦人科系
子宮筋腫、卵巣嚢腫 ⇒腰部不快感
腹部大動脈瘤 ⇒鈍痛
心因性
心身症⇒不定型
【実際の症例】
昨年4月下旬に来院された患者さんの症例です。
30代女性、妊娠13週、上のお子さんが2人、2人目出産後に冬ごろぎっくり腰をきっかけにヘルニアを発症。発症後、整形外科で牽引をしてものすごい痛みのあと完治。3人目妊娠後、同じような痛みで整形外科に来院。安定期に入るまで治療ができないと言われ、仕事を休み、自宅安静していたところ鍼灸を知り当院に来院。
主訴:ヘルニア、左お尻から足までしびれと痛み
その他、酸化マグネシウムを服用中。ヨーグルトを食べると4日後軟便がでる。
妊婦健診1回目:血圧114/67、異常なく、産婦人科の許可ももらって治療開始
治療:立ち姿から、右足がO脚ぎみになり、引きずるように歩いていたのでまずはバランスの調整から。ヘルニアを発症する前はエイサーをされていて、もともと筋肉が右につきやすく、左が痛いのに右の治療をされることが多いとのこと。また、仕事は看護助手でフルタイム立ち仕事をしていて、1週間後の職場復帰を目指していた。治療初日は痛くて眠れない程だったが、少々無理をしやすい体質。
下肢の虚症状をみて、お灸による治療を行い、仕事復帰ができました。 最終的にはお子さんを抱っこして自転車に乗れるまでになりました。
からんこえ鍼灸院
09064422776
karankoe.hariq@gmail.com
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